「一つの収穫」 2013・11・15

今年も暑かった夏の日にビールを飲みながら涼しくなったら絵を描こう、楽器を練習しよう、HPは定期的に更新しよう等と思っていましたが絵を少し描いた程度でもう11月も中旬になってしまい既に初雪も降ってしまいました。例年ですとそろそろ野沢菜を買いに小出に出かけ「薬師の湯」に入り「薬師」で蕎麦でもと思うはずなのですが今年はあまり気乗りしません。もうすぐ12月、暗い冬空の中Sandy Dennyの「Late Norvember」も聴き終えました。今年は渓歩きも温泉旅行も蕎麦屋・ラーメン屋巡りもほとんどありませんでした。そんな中思わぬ再会がいくつかありました。必ずしも喜びのとはいきませんでしたが。7月にはいつも好きな唄を奏でてくれる札幌の音楽家に会い彼等の勧めもあってHPを作ってみました。「もうすぐ明るくなるね。それまで飲もうか」と旧友と30数年振りの徹夜での会話。そして9月に所用で埼玉に出かけた際に思わぬお酒に出会いました。数年前から一口だけでもと切に願っていた「亀の翁」を口にする事ができました。兄に誘われ一度は行ってみたかった甥の店。カフェ&ワイン「おと」。そこで普段口にする事のないイタリアン?に戸惑いながらビールを飲んでると兄が甥に「この前預けた酒を出してくれ」と。テーブルに置かれた四合瓶を見て「え!これって、どうやって?どこで?」。酒造元は私の住む隣町なのですがまったく入手出来ませんでした。それがどうしてここに。兄によると時々行く川越の酒屋で何気なく尋ねたところあったそうです。しかも定価で。信じられませんでした。地元に無くて埼玉に。思い起こせば新潟の酒のブームの頃も地元よりも東京周辺に優先的に出荷されてたようですから。なにはともあれ一口。大吟醸独特の味。二杯目から「美味い」。半分持ち帰りたかったのですが、そこは酒飲み兄弟。すぐさま底に行き着き空瓶を抱えての帰宅となりました。甥が気遣ってくれたのか料理も日本酒に合うシンプルなもので酒も進むはずでした。これが私の今年のささやかな喜びでした。一緒に飲みたかったね。
「幽玄の間」 2013・9・27
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大竹美学、二枚腰林、武宮宇宙流、カミソリ坂田、殺し屋加藤。何とも物騒な表現も出てきましたが決して極悪集団ではありません。囲碁界の重鎮と呼ばれる方々です。私が碁石に初めて触ったのは35程前です。会社の昼休みにやる事もなく先輩達の対局を見ていて勧められルールも知らずに石を手に。親切な先輩の手ほどきをうけ入門書を片手に先ずはルールを。まだ対局してもらえる事ができず半年くらい布石や詰碁の勉強のみでした。その頃前述の重鎮達が1千万を超える賞金を賭けてタイトル対局を行っている事を初めて知りました。最大のハンディをもらいながらもまったく勝てませんでしたが対局してもらえるようになると面白さは十分に実感できました。この頃で20級?位だったんでしょうか。2、3年後異動先の職場には囲碁クラブがあり私は6級認定で参加しました。負けると何故あんな手を打ったのかと悔しくて眠れず夢にも碁石が出てきたのはこの頃です。その後少しずつ上達し何処へ行っても「囲碁が打てます」と言える程度になりました。職場だけでなくほとんどの町には囲碁を楽しむ場所がありました。碁会所であったり公民館であったり。対局の楽しみと同時に色んな方と交流できる利点もありました。最近はPCでまったく相手が見えぬ対局もやっていますがひたすら勝つ為に不正をやる輩に出会うのも度々。虚しくなってきます。これ以上の上達にさほど拘わらぬ私は町内の囲碁クラブでの対局が一番のようです。なが~い前置きでしたが「幽玄の間」と言う所があります。日本棋院の中に有る特別な対局室の事です。奥深く、趣きがあり、優雅で気品がある静寂の空間。何か近寄りがたい場所のようです。もしも間違って招待されても緊張して碁笥をひっくり返してしまいそうです。私にとってもう少し身近に「幽玄の間」と思える場所があります。いつも一服程度でその場を去ってしまいますが、じっくり腰を据えて唄でも聴いてみたい場所なのです。
「越中おわら節」 2013・8・15
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金沢にいた時、同僚に誘われ石川、福井、岐阜に跨がる白山に登った。登山といえるのはこれが初めてだった。あまり辛かった記憶はない。山小屋で3時頃に太鼓の音で起こされ頂上へ向かい御来光を拝んだのを覚えている。その後魚津に行ってから2回、白鳥(岐阜)で1回登っている。単独峰で見晴らしが素晴らしく遠くは富士山まで?室堂付近には有名なクロユリが沢山咲いていた。立山(富山)も数回登った。でも富士山は登った事がなくて残念。この有名な3つの山に共通しているのは信仰の山すなわち霊峰ということ。他にも色々あると思うが私の一番の興味は、ある唄の中に出てきた事。この唄が大好きだ。それは「越中で立山 加賀では白山 駿河の富士山 三国一だよ」と囃す「越中おわら節」。魚津にいた時、社内に民謡がとても上手な人がいて飲み会があると私は必ずリクエストしていた。延々と続く歌詞はとても覚えられなかったが、この長ばやしの一節だけ覚えて一緒に囃し立てたのが懐かしい。車庫の隣の狭い休憩室で茶飲み茶碗に酒をついでの「越中おわら節」。この人の「俵積み唄」も格別だった。手元に伊藤多喜雄の「うたびと、はやしびと」というCDがある。この中にも「俵積み唄」が収められているがあの人の唄には敵わない気がする。「越中おわら節」が聴きたくて検索したら沢山あり聞くことができた。そして「風の盆」の様子も。久し振りに八尾を訪ねてみたい。