今年は山雪傾向のようです。

何か力強い唄が聴きたい。そんな思いから取り出しのが「ボブズ・フィッシュ・マーケット」でした。「久保田麻琴&夕焼け楽団」の77年作「ラッキー・オールド・サン」に収められていた「また吠え始めたよ」の作者こそボブズの中心人物である敦賀隆さん。彼等は79年にデビュー。SSW?敦賀隆のオリジナルを中心にサザン・ロック&ソウルやスワンプ風味のゴキゲンなサウンドが詰まっていました。夕焼け楽団の井上ケンーさんも参加しています。カバー曲の「上を向いて歩こう」はレゲエ調で。そして32年後の2011年に2ndアルバム「Three Decades」を発表してくれました。その内容はジャケットが如実に表しているように30年が過ぎ背中の荷物をおろし丘の上でこれまで歩いてきた長い道のりを眺めている。そんな気がします。従来のアーシーなバンドサウンドに加えハーモニカや生ギターを前面に出した唄はストレートに突き刺さってきます。そしてサザン・ソウルの名曲「The Dark End Of The Street」のカバー。やはり手が伸びるのは「Three Decades」のほうです。

ボブズ・フィッシュ・マーケットの2nd「Three Decades」の中の一曲「歩き始めたよ」を聴いてて浮かんだのはDylanの名曲「見張り塔からずっと」。私の手元にあるオリジナルやカバーをまとめてみました。オリジナルで最も印象深いのは1978年のDylanの初来日時の武道館ライブ。私は初日と最終日に行きました。両日とも「見張り塔からずっと」がレパートリーに。改めて聴いてみてDavid Manfieldのバイオリンがとても印象的。他のアーティストによるカバーはどれもが素晴らしいのですが敢えて取り上げるとしたらTom Landa&

The paperboysによるカバーバージョン。打ち込み風のドラムとアグレッシブなベースに続いてフラメンコ・ギター、そこにフィドルとバンジョーによるアイリッシュ・チューンが重なるイントロが物語っている通り予想外の展開でした。粘っこいヴォーカルも魅力的です。2001年にDylanの還暦を祝って?米国の良心的なレーベル、Red House Recordsが制作したトリビュート「Å Nod To Bob」の中の1曲で続編もあります。大好きな2枚です。