奇妙なテン場で                                                                                 2022/9/11

長棟川や ああ長棟川 長棟川。私の溪歩き人生の大半を占める長棟川は富山県神通川に合流する川で最上流にはかって岐阜県長棟集落ありました。以前、安保ちゃんと一度だけ集落跡地をテン場にしたことがありました。墓のみが残されてて不思議な気分の一夜を過ごしました。今回出かける前日には神通川で釣り人が流され亡くなる事故が起きていて一抹の不安が頭をよぎりました。何せ私は立派ではない高齢者なのです。それでも決行できたのは紛れもなく安保ちゃんの存在。昨年は病気の再発で断念したのですが今年は35年目の長棟川を満喫出来ました。いつもながら予想外の展開が待ち受けていました。何とかクリアーしおいしいビールとお酒に岩魚の塩焼きを楽しめたのもひとえに安保ちゃんのお陰です。ありがとう   

                                          

体調は戻り髪の毛もだいぶ生えて来ました。猿毛川、末沢川、佐梨川と春の溪を満喫出来ました。でもその厳しさを誰より知っている私は半ばあきらめていた長棟川。もう思い出に浸るしかないのでしょうと思うこの頃だったのですが私の岩魚釣りの師匠でもある安保ちゃんが長棟川へ導いてくれました。

 

3時に我が家で待ち合わせ出発。前回(2020)と同じく問題は天候。予報では6、7時頃には雨も上がるとの事で期待を胸に富山ICへ向かったのですがいつになっても上がらず結局は一日中降られてしまいました。雨天の場合の一番の問題点は水量です。徒渉不可能な水量だった場合はエスケープルートを行かざるを得ません。大池谷です。沢山の岩魚達には会えますが生い茂る草木の中での遡上は相当の覚悟が必要です。前回の釣行がよみがえりました。檜峠から40分で奥山発電所入り口に到着。少し歩くと見えました。水量は多いものの前回ほどではなく何とか徒渉可能に見え軽快に進み河原に到着。「う~ん」二人とも言葉が出ませんでした。水量が多いのです。でも大池は避けたい。やや小振りになった空を眺め思案。少し待っても本流にかけようで一致。竿出すと安保ちゃんがすぐにゲット。続いて私も小物をゲットし心が少し落ち着きました。そうこうしているうちにやや濁りが取れ減水。一歩づつ慎重に渡り始めました。久し振りに緊張しました。春の雪も怖いけど水の流れも劣らず。それでもポイントでは岩魚が顔を見せてくれたのが励ましになりました。安保ちゃんが28cmをゲット。あと少しで刺身用の尺。残念ながら今回は出会えませんでした。奥山から薬谷まで釣り上がり納竿。

 

何度となく滑り降りた山肌を今回は登り。斜面は滑りやすく木々にぶら下がる懸垂状態。行けども行けども林道が見えません。数歩進んでは一息。何とか林道らしきものが見えたものの草付きがほとんどなくなり這いつくばりました。やや右の杉林を行くべきでした。これは私のミス。林道到着。時間を見たらわずか23分間でしたが10㎞レースよりもきつく感じました。

出発前から二人の頭の中にありました。雨でテン場に困ったらトンネルでやろう。それは現実となりました。何故にトンネル内で出来るかというと一般道路ではないのです。20数年前トンネルが完成したものの前方の橋梁の建設途中で工事は中断されたのです。過去にも近くでキャンプした際に大雨の朝となりここに逃げ込んだ事がありました。

 

2年ぶりの安保ちゃんとの宴。ほとんど眠っていないにもかかわらず遅くまで付き合ってくれました。ビール、日本酒もこれまで以上にすすみました。そして安保ちゃんとこんなに沢山話したのは初めてのような。長棟川のよもやま話は尽きません。ワンワンワンワン、ニャーニャー、ワンワン、ニャーニャニャーニャー、ワン、ニャーニャーニャー、ワンワンワンワン、ウーニャニャニャー、ワンワンワン、ニャー、ワンワンワンウー、ワンワンワン、ニャー、ワンワン、ニャー、ワン。ニャー。また一緒に飲みましょう。二日酔いもなく爽やかな朝を向かえました。

あいにくの悪天候の中で私達が選んだテン場は何とトンネルでした。

翌朝はここも馴染み深い魚津市の片貝川へ。もう十分に満足し竿は出しませんでした。いつものテン場へ行きひたすらに美しい片貝の白い岩と透き通った流れに感激。その後、スーパーで好物の「昆布〆」を購入し10:45に40年目の「ラーメンの店」へ。開店前でしたが、ご主人が「どうぞ、どうぞ」中へ。そして目を合わせ再会に感激。ご主人は80歳を超えられたと。まだまだ続けて下さい。変わらぬおいしさです。来年も行きます。

 

帰宅後、長棟川、片貝川、ラーメンの写真を見ながら豪華な晩酌でした。