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迷ったあげくに(2004)
3/31の夕方、軒下にぶら下げたミミズを確認し道具と共に車に積み込み、早く眠らなくてはと5時過ぎにビールの栓を抜く。白鶴丸パックを先日採ったワサビを肴にコップで2杯飲み、妻有ソバで仕上げ早々床に着く。予報では明日の富山は快晴のはずだが、あの633段の階段はきついだろうなどと思いつつ目を閉じる。そして2時に起床、すると雨音が、外を見るとかなり強い降りで迷ってしまう。一緒に起きたタマは空腹らしくまとわり付き離れない。とりあえずタマにニボシをあげて考え込む。だんだん弱気になってしまい、そのままコタツに潜り込んでしまう。結局5時まで眠ってしまう。とほほ、情けないなあ。雨は小降りになり上がりそうだ。長棟は止めて県内に変更、4/1解禁の小出、十日町か糸魚川の早川か迷いつつ出発する。もう6時をまわっている。ICについてもまだ迷いブースを通過し車は右側のランプへ入り漸く糸魚川の早川支流に決定した次第だった。能生ICを出る頃にはすっかり雨も上がり薄日が射し長棟への思いが頭をよぎるが後の祭り。気を取り直し8号を糸魚川に向い早川を渡ったところで左折、焼山・笹倉温泉方面へ。15分程行き目的地の支流入口に到着し作戦を練る。この渓は5・6年前に私が糸魚川に居た時にワンゲルフルメンバーで来た水のよどんだ堰堤だらけの里川。ひどい釣行でしたね。翌日は笹川へ行き雨だったか雪だったか、そして宮崎鉱泉で一泊。情けない案内を反省しております。そのひどい支流もその後何度か訪れなんと43Cmの大物を手にしていたのです。場所はワンゲルメンバーが納竿した少し先だったのです。その付近は下流部と違い渓らしい趣で水も比較的綺麗でした。話は戻って下から釣り上がるのは止めにして部落のはずれから遠巻きで上流に出ることにした。準備を済ませ快晴の中を歩き始める。部落を抜け雪の中を20分ほど歩くと予定の場所へ到着、早速竿を出すが当たりなし、次のポイントへ振り込むとググッと来た、引きも強い、22,3Cmだった。不思議なくらい丸々太ってサビはほとんどなく綺麗な岩魚、次のポイントは垂れた木が邪魔だったが回り込みそっと落とすと瞬間にもっていかれた。しかしこのままのスタンスでは抜くどころか寄せるのも不可能、何とか緊張を保ちつつ対岸に渡り抜き上げると尺だった。泣き尺を超えた立派な尺。少し先の堰堤で尺を含め3本、その後も上げたり、ばらしたりしながら43Cmの場所へ、落とした途端に一気に持っていかれるがすぐにばれる。そして粘っても粘っても顔を出さず。短い行程の前半が終了。ゆるんだ雪の中をぬかりながら入渓地点に戻り堰堤の上で昼飯。カップラーメンにおにぎりは味気ないなあ~。缶ビールを持って来るべきだったと後悔。後半は流儀に反した釣りを決行、まず釣り下るという点、そして護岸工事された中の10数箇所の堰堤の落ち込みを狙うというこれまでに無い釣りだ。川通しの遡行は不可能で川に下りるには全ての箇所で2、3mのブロックをつたって降りなくてならない。草や藻がついて滑るのは間違いないがもしも滑り落ちても、この高さだったら怪我の心配はなし。以前から岩魚が潜んでいそうと思っていた。木が手助けしてた一箇所目はなかなか当たりがなかったが粘っていると鋭い引き、場所荒れに気遣いながらタモですくうと良型25・6Cm、続いてもう1本上げて次の場所へ、ここでも尺を1本。そして次の場所へ移動する時にはこのまま一箇所2本づつ上げたら20本かな等と“捕らぬイワナの皮算用”したおりにはろくな事がないのだ。下流を見ると山から泥濁りが凄い勢いで流れ込んでいる。釣りになりそうもない。これではあと2,3箇所で終了だ。再度降り立ち、一本上げ、欲を出し1m弱の段差を降りて下流のポイントへ行こうとした際流れに足をとられ見事に転倒、竿は大丈夫か、携帯は、身体は、びしょ濡れ状態。立ち上がると膝下が痛いが大丈夫そう。上に戻り何故かまた1本釣れて川を上がる。どうもこれで納竿せよとのお達しなのかと。帰途に着く事に。途中覗くと完全に濁ってしまっている。泣き弱頼みでここだけはと確信していた下流の橋の下で竿を出してみるが当たりなし。足の痛みと雪に苦労し車へ。杉の枝の上に並べて久し振りの記念撮影。今回20Cm以下は1本も釣れなかった。
今夜は久し振りに「月不見の池」をと酒屋へ、おじいちゃんにどこからきたかと聞かれ長岡と答えると、長男が長岡の日本精機に勤めているのだがお前さんは長岡のどこかと、ニュータウンと答えると息子は青葉台(ニュータウン)に居ると言う。同じなのだ。お前さんは何丁目かね?5丁目です。息子は2丁目で子供は学校が近くていい。一緒の学校だね?いいえ我が家のタマは卒業しましたとは言えず、そうですねと答え見送られる。