私を長棟へ連れて行って 2018/06/24
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意志の弱さが幸いして今年も長棟川へ行く事が出来ました。昨年はめまぐるしく変わる天候の中での釣行でとにかく寒さが応えました。老化から体力の衰えと共に体のバランスを保てず道中のハードさと長時間ひたすら石の上を歩く長棟川での渓流釣りに不安を覚え30年目を機に昨年の忘年会で長棟川引退宣言をしたのでした。しかし今年に入り春のロードレースで長棟仲間と会い何処かでキャンプ釣行等と話し候補地を検討したところ、私の希望で魚津市の「ラーメンの店」に立ち寄れる片貝川ではと。でも私は自信ありませんが安保ちゃん、高橋さんは体力も十分の筈。やはり老体にムチを打ってでも長棟へ行くべきではなかろうかと思い始め、ついには決行した次第です。今年は陽射しを存分に浴び長棟の綺麗な水の心地良い冷たさを味わいました。
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1981年夏に金沢市から富山県魚津市に異動となり初めて食べた「ラーメンの店」の素朴な醤油ラーメン。以来どこの町に異動しても片貝川での釣行やキャンプ、蜃気楼ロードレース等、何かにかこつけて年1回はお邪魔し今年で37年目となりました。いつも近況や魚津時代のよもやま話で以前から聞こうと思っていたお店の開業年を聞きそびれてしまいました。私がこれまで出会ったラーメンの最高峰です。
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不安と期待の中、朝3時に我が家に集合しスタート。今年は天候についてはまずもって大丈夫そうなのですが水量不足が懸念される長棟川。5時半に富山ICを出てコンビニで朝、昼食を購入しようと立ち寄ったのですが今回もお目当ての「とろろ昆布おにぎり」は在庫切れ。。どうも商品搬入時刻の1、2時間前のようでした。当然おにぎりよりも長棟優先で桧峠へ。先行者は?私達のみで一安心。ここで相談、いつもの入渓地点ではなく久し振りに手前の奥山発電所からという事に。爽やかな青空の中を先ずは自転車で。40分弱で発電所入口ゲートに到着し愛車を草薮に投げ込み発電所へのコンクリート道路を「この辺りでは、いつもカモシカが顔を見せてくれるのだが」等と期待したのですが今回は出会えませんでした。発電所入口の柵につたって進入。発電所脇の広場?でテントを張っていたところ翌朝やって来た北陸電力さんに怒られたのが懐かしい。しみじみと水を眺めながらの朝食、少なめなものの良さそうな水量に一安心。こうして31年目の長棟川の始まりです。
少し行くと数々の思い出が詰まった大池谷との出会い。31年前初めて長棟川を訪れたのは本流ではなく大池谷でした。渡辺さん、番場君とキャンプ。安保ちゃん、高橋さん、阿部ちゃん、そしてカミさん、でも一番に回数が多かったのは私単独でした。
さて肝心の岩魚ですが私は餌のみ。この餌が問題。ブドウ虫は全て死んでおり、ミミズは糸ほど細く溶けそうで役に立たず。昨日、有名な「上・・屋」で購入したもので確認を怠った私にも落ち度は有りますが酷過ぎますよ。もっともちゃんとした物であっても岩魚達は振り向かなかったことでしょう。川虫採ろうと浅瀬をかき回しても小さなものがたまに程度。もう羽化したようです。そんな理由で私はほとんど釣れず、安保ちゃんと高橋さんのルアーに託しました。水先案内人は足元に不安を抱えながらも心地良いのです。
昼食は今が食べ頃の刺身、年に一度のぜいたくを今年も味わいました。奥山からしばらくは不思議と魚影が薄かったのですが後半はいつもの長棟川に。二人が投げ込むルアーを見つめると次々と岩魚達が追いかけて来ました。深い渓に差し込む眩しい光、、透き通った水ときらめく流れ、切り立った岩肌の上から無数の木々達が緑の葉で渓を包んでいる光景。すいすいと、ゆらゆらと戯れる岩魚達。31年目の至福のひととき。気になっていた時間調整も順調で最後の絶好ポイントに到着。先ずは高橋さんが良型をゲット。そして彼の目の前にはゆらゆらと留まる岩魚の姿が。続いては安保ちゃんが振り込むと即座にゲット。尺物でした。そして31年間姿を現さぬ大きな淵。「もしも40cm以上が上がっても必ずリリースだからね」と話ながら二人は竿を振るものの現れませんでした。これで良いのです。さあ林道へ向かって急登の藪こぎです。
以前は一気に駆け上がったものの今回は所々脚を止めながらも何とか林道に到着。まだまだ先は長く1時間以上歩いて奥山へ。私は完全にバテていました。さすがに二人も辛そうでした。いつもより釣行区間が長かったのと途中からのハイペースが脚にきたようです。あとは気力で桧峠へ向かっての自転車漕ぎ。そういえばカモシカに一度も会えなかったが帰りに猿と自転車の前をタヌキが走って行き突然脇から山鳥が飛び出しビックリ。5時半無事にテン場到着。先ずは着替えて乾杯。テント張り、たき木集め、火起こし(昨年の跡がしっかり残っていました)、岩魚の刺身と塩焼きの準備を終え大宴会の開始です。
八海山&銀盤に刺身、塩焼き、ムニエル?天ぷら、モツ?で感激の一夜を明けて目覚めると塩焼きの一部が消えていた。やられた!昨日、林道であったタヌキに違いない。まあそれも愛嬌か。根こそぎなんて事もあったのだから。岩魚のあら汁での朝食の後は片付けを開始。日帰り温泉の開店までには時間が早く熊野川に寄ってみる事にし下山。途中マタタビの木が沢山あり覗いて見ると小さな実がついていました。ミケが喜びそうなのですが。数年前に行った時は集落の終わりでゲートがあり行けなかったのですが今回は熊野川ダムまででその先は進入禁止となっていました。熊野川にも色んな思い出があります。岩魚の産卵期の状況を見に行き三段滝の近くで沢山の天然ナメコをいただいたり、また不謹慎な輩に先回りされた事もありました。そして尾根は私達の長棟川につながっているのです。
昨年同様に立山町の日帰り温泉「湯めごこち」で疲れを癒し魚津市のスーパーで買物を済ませ待望の「ラーメンの店」へ。37年前と何も変わっていませんでした。ご主人、女将さんの笑顔を後に魚津ICへ。途中米山SAに立ち寄り話題の「さばサンド」なるものを購入し晩酌時に食べてみました。紛れもなくサバでした。安保ちゃん、今度新メニュー「イワナサンド」なんてどうですか。
安保ちゃん、高橋さん、私を長棟へ連れて行ってくれてありがとう